きれいな空気を生む 住まいづくり78

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
・植物は根に影響を受けるのはなぜか?
・花ビンの花はなぜすぐにダメになるのか?
・食べ物はなぜ腐るのか?
・カーテンがカビるのはなぜか?
・低気圧は体調を崩しやすいのはなぜか?

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色々と自然が教えてくれることが
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床の間のもつ意味

 客間には床の間がつきものとなっていますが、床の間をつけるのには、それなりの明確な理由があります。しかし、床の間の存在理由を知らないで客間を設計している建築家が多く、意味もなくつけられていますから、床の間の正しい役割が果たされていません。
 床の間は、そこが客間であることを示し、お客の座る位置を示しています。また、床の間の位置は主要な出入口より最も離れた奥につくられるものです。さらに、家族が客間に集まった場合、昔でいえば家長の座る場を示すものでもあります。つまり、床の間の場合は上座を示し、主賓が床の間を背にして座ります。したがって家人たちが主賓の前を通って用を足すことのないように、また失礼のないようにするために、出入口から離れた位置であることが望ましいのです。
 また、床の間の向きは西か北を背にすることが定法となっています。昔から東側は活力の場として若者が早朝より活動(仕事)をする方位とされ、西の方位は収穫された食物が保存され、家長や老人のいる位置であり、司(つかさ)の場所とされています。そのような意味から住まいにおける上座は西方位とされます。北側を背にする場合は自然の恩恵の太陽を受け入れ、感謝を示す家長の象徴のためであり、南や東を背にした床の間は不自然とされています。
 私自身はあの日、あの時に私の父親が床の間を背にして語り悟した姿を幼い胸に秘めながら大人になったような気がします。床の間の前の父親の面影が心の支えとなって人生の迷いを乗り越えてこられたように思うのです。年配の人の中にはこのような思いをもつ人は少なくないでしょう。床の間のある客間は、このように幼児期からの人格形成にも人役買っていたのです。

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客間を多目的に使う

 いつ訪れるかわからないお客のために最も建築費のかかる和風の客間をつくることは、得か損かというのは人によって意見が異なるところですが、お客専用のスペースにしなくても、寝室と兼用にしてでも、心の余裕としてつくられることも良いかと思います。また、客間は多目的の利用法が可能ですから、必ずしも無駄だとはいえません。
 客間の広さは8畳間が標準的で、狭からず広からずのちょうど良さです。6畳間なら「うちは狭くて」と言い訳がいり、10畳以上は利用効果が少ないものです。ですから客間の8畳は理想の広さといえます。

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きれいな空気を生む 住まいづくり76

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日本の伝統的な住宅文化を継ぐ客間

 現在、日本の伝統的な住宅文化を継承する唯一の場所は和風の客間です。若い世代は客間の存在価値を認めず、その代用品として洋風の居間を求めます。日本間の客間は律義な生活習慣を象徴する場所として、家柄や住む人の人柄を示してきました。しかし現代人には律義さもなくなり、堅実な生き方は虚飾に満ちた生き方に変わり、かつての日本人気質が消え、新しい民族性が現代社会をつくり上げています。
 今の現代社会において客間の利用効果を説明しても、多くの人は客間の利用効果を理解できないかもしれません。そのことに侘しさを感じています。客間を求める目的があいまいでは、貴重な資金を無駄にするばかりか住まいのほかの部分を犠牲にすることにもなります。
 本来客間の役割は外部に対応するものであり、来訪者への礼節と家柄を示すためのものです。したがって、それなりの格式を保つことが要求されます。とくに日本の伝統とされる客間の存在は住む人のプライドを示すと同時に家族たちの生きがいともなります。しかし、最近は自宅に他人を招いたり、招宴をすることが少なくなりました。住宅が家族だけのために利用されるようになったことにより、和風の伝統的客間が敬遠されるようになりました。このことは日本人の伝統的気質を失い、家族たちの心の支えを失うことにつながります。住まいにおける無駄の効用は玄関と客間にこそあります。

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きれいな空気を生む 住まいづくり75

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居間には自然を満たす

居間について、庭との一体化で、居間に庭を延長した雰囲気をつくることがあります。といっても、庭の一部を居間に取り入れることではありません。居間は居間として庭は庭として区別された環境でありながら、居間に自然を満たす工夫をしてきました。日本には素晴らしい春夏秋冬の四季の変化があります。その変化を住まいに浸透させたいのです。日本人の人間性(感性・知性・情緒)が豊かなのは四季の変化によるところも多いのではないかと思っています。
 しかし、近頃は自然を拒絶した高気密住宅が良質住宅とされ、日本人は不自然な生活環境になじんできてしまいました。それが不自然な思考や行為につながり、多くの社会問題を引き起こすことにもなっているように思います。
最近よく見かけるのですが、ファッション性を優先した発想から、窓が鏡面硝子となり、大きな一枚硝子が固定されて開放ができないものがあります。硝子越しに見る外部は絵や写真と同じで現実を実感できません。外気が室内に流れ込んで初めて四季の変化も五感を通して感じられ、情緒や感性が豊かになるのです。つまり、せっかくの窓が窓としての役割を果たさないばかりか、通気や換気を妨げて新鮮な空気を拒絶しているのが一枚硝子の窓です。
 その結果、化学物質資材のホルムアルデヒドによる被害を続発させてもいるのです。すでに大手ハウスメーカーの新築住宅では被害に対して謝罪や慰謝料の請求に応じていますが、一般への情報公開を拒否し、監督行政も知らぬ顔で容認しています。
かつて環境心理学者ハンチントン博士が絶賛した日本の古い民家の環境に、これからの日本の住宅を近づけることが今の日本人にとって必要なことではないかと思っています。

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きれいな空気を生む 住まいづくり74

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利用目的があいまいな居間は無用の長物   【 2 】

 居間は一般的には、家の中でも最も良い環境が得られる場所に配置され、冬は暖かく夏は涼しい、健康的で快適な環境を求められるものです。しかし、居間のあり方は家庭の生活習慣や事情によって一様ではありません。その家庭によって居間の利用目的や利用回数は異なりますし、家族だけの利用が多い場合と対外的な社交の場となることが多い場合とでは位置や広さも変わってきます。
 広さについての一般的な考え方は、「恥じない広さが10畳でちょっと自慢が12畳、得意な顔が16畳、その上広いは首かしげ」となります。
 居間のインテリアは個性的なものと、単純で素朴なものとの使い分けが必要ですが、それも単に好みだけで決めるのではなく、利用目的によって決めた方がよいでしょう。居間に限らず、住む人の人柄がしのばれるのが内装です。清楚で上品なデザインや色彩は飽きが来ず、無難です。


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きれいな空気を生む 住まいづくり73

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利用目的があいまいな居間は無用の長物   【 1 】

 住まいを新築するにあたって、多くの方が最も期待と夢を持つのは居間の存在でしょう。寝室兼茶の間、あるいは寝室兼居間という生活をしてきた人たちにとっては、独立した居間の存在は住宅を建てた証しのようなものと言ってもいいかもしれません。しかし、そういう住宅計画時の居間への特別な思いは「よそゆき姿」の居間につながることがあります。つまり、応接セットや豪華な家具を置いて、正装をしたり、着飾ったりした時の状態を居間に求めてしまうのです。その分、普段着の生活やカジュアルな生活環境は掘ゴタツのある和風の茶の間に求められることが多いようです。
 衝動やあこがれで計画された居間は普段には使いにくく、せっかくの貴重なスペースを無駄にしているケースがよく見受けられます。住宅には無駄な部分もある意味では必要ですが、それにしては居間は広すぎて、お金もかかりすぎています。居間は、毎日家族たちによって多重に利用される場所でなければ意味がありません。食堂や茶の間、または和室の客間と同じような利用目的であれば、役に立たない代物と言ってもよいでしょう。スペースを広くとり、いい場所に置くにはもったいない気がしてなりません。
 私は法的規制や資金の都合で建築面積が制約される時は、利用目的が共通する部分は極力カットするようにしています。たとえば居間を主婦の家事室や主人の書斎、パソコンのためのホームオフィス等を兼ねるような形態にすれば、無駄のない利用効率の高いスペースとなるでしょう。

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きれいな空気を生む 住まいづくり72

・メダカの水はなぜ腐るのか?
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情緒や感性を育てる食堂  【 2 】

食堂の内装は、柔らかく自然な雰囲気がよいのですが、もし特別の好みがないのなら、木質環境がよいと思います。床と壁の一部や天井は木材の使用をおすすめします。その場合、木材の稀少価値(高級材)を求めることより、並材(自然素材)を多量(太く厚く)に使用する方が良い食堂の環境をつくり出します。
 昔の民家には囲炉裏のある団欒の場に「大黒柱」という30センチ角の太柱が配置され、たくましく家庭を支えている威容を家族たちに印象付けてきました。食堂や茶の間に21センチ角以上の二本の太柱を目立つように立てて夫婦柱として、両親を中心とした仲のよい家庭を象徴させた環境をつくることもできます。こうして、食堂が責任ある社会生活の源泉となるよう心掛けてきたのですが、そのような「思い」が食堂には必要ではないでしょうか。

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きれいな空気を生む 住まいづくり71

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情緒や感性を育てる食堂  【 1 】

 食堂や茶の間の役割は家庭生活の中心として家族同士の安心と平和を培う場所です。家族の断絶が言われるようになって久しいのですが、その原因は食堂の環境計画にあると、私は考えています。環境は雰囲気を左右し、雰囲気の良否は人間の意識に直結します。よい雰囲気の食堂や茶の間では楽しい会話がはずむのは当然のことです。家族の団欒は精神衛生上よい効果をもたらし、家族間の信頼感を高めます。また、朝夕に感謝して食事のできる雰囲気はプラス思考をもたらします。β-エンドルフィンという良質な脳内モルヒネが分泌される環境は豪華な環境ではなく自然と調和した素朴な環境です。
 また、家族が互いに自分のことで多忙な日々を送る現代は親が子どものしつけをするチャンスは食事の時しかないと言ってもいいでしょう。また、子どもが親を知り、親から何かを受け継ぐチャンスもやはり食事時です。ただでさえテレビやラジオが家族の間に介入し、また子どもたちには個室が与えられ、彼らは一刻も早く親から解放されたいと願っているように思われます。そのような状態では家族間の正しいコミュニケーションが確立することは難しいでしょう。しかし唯一の家族交流の場ともいえる食堂や茶の間の環境を良くすることで母親の心を家族に伝え、父親としての尊敬を得ることもできるのです。

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きれいな空気を生む 住まいづくり70

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
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食堂は家族のエネルギー補給場所  【 2 】

 位置や広さが決まったら次に配慮すべきことは窓の位置や大きさです。窓は自然の恵みを受け入れるためにあります。東の窓は高くとって朝日を室内に入れて消毒します。南の窓は広く取って、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるようにします。健全な心身を育む環境は自然との調和なくしては成り立ちません。
 しかし、現代の建築家は住宅が人間にとっての中心的生活環境であることを無視し、自然と住宅との正しい調和を忘れ去っていることが多いように思われます。食堂と自然との相関関係を探究せず、人工的な室内のインテリアや、環境調整を優先しています。人工的な環境には活力を養う快適性がなく、逆に怠惰癖を増長させる快楽性があります。家族に惰気や不健康をもたらす食堂は絶対に避けるべきです。たとえば西日でうだる食堂、夏や冬の室内空気のコントロールをすべて機械でやらなければならない陰性環境は不経済なばかりでなく、家庭の不健全化の原因となりかねません。

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きれいな空気を生む 住まいづくり69

・メダカの水はなぜ腐るのか?
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食堂は家族のエネルギー補給場所  【 1 】

 私は、教室に来所されるお客様に、こう質問します。
「お客様、家を新築されたら、毎日の生活の中で家族の朝は、どの場所でどのような雰囲気で迎えたいと思いますか?」
 主婦の一日は台所で始まりますが、家族たちは食堂で一日のエネルギー源を満たします。早朝の食堂の雰囲気がその日一日の気分を左右しかねません。
 人生は常にスタートであって、日常には終わりがありません。終焉は死ぬ時です。朝のスタートは毎日必ずやってきます。人生の拠点が家庭であるなら、一日の出発点は食堂や茶の間であるといえます。私はお客様にいつもこう申し上げています。
 「食堂や茶の間は朝向きで考えましょう。夜向きはいけません」
 それは爽やかな気分で仕事や学校に向かうために、どうしても必要な条件です。明るい食堂で自然の香りと澄んだ空気を胸いっぱいに吸い、主婦が作った朝食で腹ごしらえをすれば、毎日元気よく社会へのスタートができるというものです。それが朝から薄暗い、夜と変わらない雰囲気の食堂だったらどうでしょう。活力を得るどころか、朝から倦怠感に襲われるのではないでしょうか。このことだけを考えても食堂の位置や広さはどうしたらよいかわかるはずです。

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