きれいな空気を生む 住まいづくり52

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
・植物は根に影響を受けるのはなぜか?
・花ビンの花はなぜすぐにダメになるのか?
・食べ物はなぜ腐るのか?
・カーテンがカビるのはなぜか?
・低気圧は体調を崩しやすいのはなぜか?

私達が生活してゆく上に
色々と自然が教えてくれることが
たくさんあります。その住まいづくりを
かかげてみました。



正しい計画はまず綿密な調査から
 
住宅の基本についてわかったところでいよいよプランニングに入ります。
 まず正しい環境配分(間取り計画)をするために、その地域の気候風土や年間を通しての風向きなどを調査しなければなりません。また、個々の立地条件に対して、どのような住宅が自然の恩恵を最も効果的に利用できるかを研究することも必要です。その環境調査は一般的な敷地調査程度のものでは意味がありません。各地から気象データや地域環境にかかわるデータを集め、地域性、環境、生活習慣を調べてみたところ、環境心理学者のハンチントン理論の正当性を確認することができました。つまり、それぞれの地域性や立地条件を無視した規格住宅、建売住宅、自由設計のできないツーバイフォー住宅では、住宅の正しい役割(幸福な家庭生活を実現すること)を果たしにくいことをも確認したのです。住宅は、その地域の諸条件と密接な関係をもつものであり、その諸条件とのバランスを保つには事前の綿密な環境調査が必要だといえます。そのためのシステムを確立しなければなりません。しかし、大手ハウスメーカーは敷地の形態を測量し、建築基準法に適った建物をつくることにのみ専念しています。そのような単純な調査に基づく住宅計画では住む人の要求を入れた「幸福を生む住まい」はとてもできません。
 環境調査の次に調査表に基づいて、注文主とプランナーとが打ち合わせをします。注文主(住む人)が同じ場所に建て替える場合、現在までその土地に住んでいた経験から、環境の影響は肌身で感じ、長所、短所をよくよく知っているはずですが、意外に気づかず無関心で住んでいる人も多いのです。私は環境調査結果を説明しながら、その場所の長所、短所を根掘り葉掘り聞き出し、さらなる確認と理解を強める努力をします。また顧客も立地条件をよく知ることによって、これから行う「プラン」に対する理解を助けることにもなります。このように、環境調査の報告・確認は重要な意味をもつものなのです。

自然の学びを生かした住まいづくり51

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
・植物は根に影響を受けるのはなぜか?
・花ビンの花はなぜすぐにダメになるのか?
・食べ物はなぜ腐るのか?
・カーテンがカビるのはなぜか?
・低気圧は体調を崩しやすいのはなぜか?

私達が生活してゆく上に
色々と自然が教えてくれることが
たくさんあります。その住まいづくりを
かかげてみました。



住宅は「将来の為に」求めるべきである

 人々は盛運が続くうちは衰運を忘れて住まいに贅を尽くします。その結果はお決まりのコースを辿って悪夢と化してしまいます。無難な人生をおくるのも一生、波乱万丈な人生をおくるのも一生であり、人それぞれに人生に夢をもち、その夢のために賭けるのですから、他人様の生き方に職人が干渉することは僭越なことでありましょう。しかし、その分別をもっても余計なお節介を申し上げたくなるのです。
 私が老職人となって実感するのは、老後の人生のことです。高齢社会ともいわれる現代にあって、余生における
安心平和こそ、人生の終末における最高の幸福であると考えます。人生を達観しながらの日々こそ、老後の妙味といってもよいでしょう。
 しかし、そのためには、健全な家庭生活が永続していなければなりません。幸福な家庭は、にわか仕込みでは出来上がりません。長年月の家庭環境(住宅環境)の影響下で培われ育まれるものです。
 善悪を問わず先天的な芽が発達するかしないかは家庭環境によって決まるのです。人間は多くの条件と接し、いずれかの条件を無意識のうちに自分のものとしますが、その選択に際しては幼児期や少年期の家庭環境による影響が最も大きいと思われます。このことは、自然界に照合すれば容易に理解できます。たとえば同じ品種の植物でも人間と同じように、育った土壌の質と環境によって大きな差が出てきます。植物にとっての土壌と環境は人間にとっての住宅の環境と同じであるといえます。
 私は「今日あるは明日のため」「現在あるは将来のため」と社員たちにも常に教えてきました。住宅もまさに「将来のためにどのような住宅を求めるべきか」を胆に命じて計画すべきであります。心豊かな老後を送るためにもぜひとも必要なことです。

 幸せを生む住まい 間取りは住まいの命
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自然の学びを生かした住まいづくり50

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
・植物は根に影響を受けるのはなぜか?
・花ビンの花はなぜすぐにダメになるのか?
・食べ物はなぜ腐るのか?
・カーテンがカビるのはなぜか?
・低気圧は体調を崩しやすいのはなぜか?

私達が生活してゆく上に
色々と自然が教えてくれることが
たくさんあります。その住まいづくりを
かかげてみました。



家庭は社会の縮図である

 住宅は、楽しい(幸福な)家庭生活を営むために生涯利用する商品です。その住宅を計画するにあたり、現在から将来に向かって安心と満足と愛着をもって住める住宅とはどうあるべきかを繰り返し述べてきました。
 しかしながら、現代は住む人不在の住宅(不幸になる原因を持つ住宅)が業者によって「売るための売れる住宅」として一般商品と同様の感覚で販売されています。住宅市場はユーザーに不幸の原因を売るばかりでなく、大げさにいえば日本人を滅亡の危機に追い込んでいます。このような重大な局面にありながら、行政も黙視しているのは、問題の大きさに気づいていないからでしょうか。

 現代の日本人が物を求める時や新規の事業を始める時に共通しているのは、メリットの追求はしても、デメリットの検討を深くすることはないということです。商品を売る立場の者はメリット部分を強調してもデメリット部分には触れませんし、購入するエンドユーザーもなぜかデメリットを追求しません。昔から「一事が万事」といわれますが、日本人は両面追求することなく偏見癖になじみ、しかも本能的な物欲がすべてに優先していますから、当然後日に発生する副作用や弊害を予測しようとしません。まさに理性なき民族に成り下がってしまい、いまや世界中から批判され、あちこちで日本叩きが広がっています。
 私はその原因は住宅環境にあると思っています。住宅環境は家庭環境をつくる基であり、人々は家庭という小社会の環境で社会人としての基礎的な要素を身につけます。そして家庭環境を拡大したものが社会環境であり、国家社会ということになります。以上の理屈が当たらずとも遠からずであるとすれば、住宅環境とは住む人に影響するだけでなく日本人全体の安心や平和にも関係する重大な役割をもつものであるといえるでしょう。

 住宅計画は人生計画であるばかりでなく国家社会にも重大な関係があることを考えた時に、従来の住宅指向のままでよいのでしょうか。20年足らずで住む人の愛着を失って壊される住宅は、個人の経済ばかりでなく地球環境をも破壊し、また地下資源の枯渇に拍車をかけています。このことは、地球上のあらゆる生物に悪影響を与え、全人類の滅亡の原因ともなりかねません。老職人のたわごとですめばよいのですが…。

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自然の学びを生かした住まいづくり49

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
・植物は根に影響を受けるのはなぜか?
・花ビンの花はなぜすぐにダメになるのか?
・食べ物はなぜ腐るのか?
・カーテンがカビるのはなぜか?
・低気圧は体調を崩しやすいのはなぜか?

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色々と自然が教えてくれることが
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かかげてみました。



住宅購入は結婚相手を探すのと同じこと

 住宅の購入時に考えなければならない大切なことの一つは、将来を見越して長持ちする住宅とはどうあるべきかということです。住宅は原形を50年以上保つくらいの耐久性はあります。
 しかし、新しい期間は短く、古びてからの期間が長いものです。そして住む人間は年齢を増し、家族それぞれの住宅へのニーズも変わっていきます。つまり、住宅は建物としての耐久性があっても家族のニーズの変化に対応できなければ、利用価値を失い、住む人によって壊されるのです。つまり建て替えが必要になります。その数は毎年20数万戸に上ります。

 さて、この現実をどう見るべきでしょう。建て替えが増えれば経済の活性化にはなりますが、個人の経済的負担は大きく、そのために生じる人生上の犠牲ははかり知れません。ましてや将来の増収入が見込まれにくい下降経済時代にあっては、建て替えは困難となることが予想されます。何度も繰り返しますが、住宅は耐久性があっても長持ちはしません。家族の条件や時代のニーズが変わっても、そして建物が古くなっても愛着をもたれ、安心と満足な家庭生活が永続できるような住宅でなければ長持ちする住宅とはいえません。そして住宅のために人生を犠牲にすることにもなるのです。

 このことは、職人として、建築家として、住宅環境研究家として、半世紀の間に多くの家庭を垣間見た中で実感して申し上げることです。
 住宅は計画次第です。住む人不在の設計ではその住宅に愛着がわくことはありません。住宅を求める事は結婚することと全く同じで、見栄えや価格に惚れてもすぐに飽きがきます。心のない相手と同じことです。住宅にも心が必要です。住む人と専門家の心と心、知恵と知恵を合わせて試行錯誤を繰り返して計画(設計)した住宅には心があります。あなたの将来のために「子どもを育てる心」で住宅計画をなさってください。

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自然の学びを生かした住まいづくり48

・メダカの水はなぜ腐るのか?
・植物はなぜ朝日を必要とするのか?
・植物は根に影響を受けるのはなぜか?
・花ビンの花はなぜすぐにダメになるのか?
・食べ物はなぜ腐るのか?
・カーテンがカビるのはなぜか?
・低気圧は体調を崩しやすいのはなぜか?

私達が生活してゆく上に
色々と自然が教えてくれることが
たくさんあります。その住まいづくりを
かかげてみました。



住宅は一生に二度も三度もつくれない

 住宅購入資金が無制限にある人は万人に一人もいないはずです。自分の生命保険を担保にして住宅ローンを組むのが一般的なやり方です。本来なら自分の生命を担保にして借りた資金で住宅を求めることは悲壮なる決意ともいえますが、現代人は意外にも淡々として悩むことも不安を感じることもありません。しかも住宅の本質を確認するでなく、規格住宅や量産住宅を平気で求めています。生涯のうちで、きわめて重大な事業ともいえる住宅購入が、重大だという意識もなく安易に行なわれ、後日に悔いを残すような問題が生じなければよいのですが、残念ながら多発しているのが現状です。すでに化学物質資材によるいろいろな病気が顕在化していますし、また顕在しながらも住宅が原因と気づかないこともあります。さらに、まだ潜在している問題も多いのです。

 住宅は人間にとって最も身近な環境であり、長年月接しているため、その影響力や感化力は少なくありません。環境作用による弊害はこれから続出するでしょう。
 また、現在の住宅は耐用年数の全国平均が20年足らずとされていますが、たとえば法定耐久年数である25年間、原形を保ったと仮定した場合、35歳で求めれば60歳まではもつことになりますが、その年齢になって再度住宅を建て替えられる経済能力をもつ人は少ないでしょう。
 
 高齢化社会にあって余生を楽しく生活する条件の一つは、豊かな経済力です。退職後の経済を考えると、これからの住宅を耐久消費材とした感覚で求めるべきではなく、一生に一度の事業として、将来にわたって耐用、対応できるものを計画すべきではないでしょうか。私の提案は年齢の推移や時代の変転に耐えられる住宅を自分の将来を予測して計画(設計)をすべきだということです。

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