コロナの影響を受けず きれいな空気を生む住まいづくり⑤


人間は有機質環境で進化してきた

 無視されているのは住宅環境ばかりではありません。人間の体内環境にも人々の関心はないのです。人間は肉体そのものは自分個人のものと決めつけていますが、それは人間の自惚れであって、人体も自然の一部です。つまり体内も自然環境であり、それが証拠には体内の諸機能の活動は何一つとして自分の意志では自由にできません。皮膚の中も自然の一部であると同時に、住宅も自然の一部であり、すべて自然体で共存共生ができるはずです。自然に同化し、自然の法則に順応することなくして健全性は培われません。
 人間は地上の動物であり、そのために進化してきました。しかも有機質で囲まれた生活環境に移ってから急激な進化を遂げてきました。石器時代から縄文時代に推移した時から、生活文化が高度化され現在に至っています。人間にとっていかに有機質のものが大切かよくわかります。

風通しをよくするための教科書

 幸せを生む住まい 間取りは住まいの命
  ウシキ株式会社

コロナの影響を受けず きれいな空気を生む住まいづくり④


自然対策が片手落ちの住宅は不幸の巣

 住宅を計画するにあたって、共通して必要なのは、その土地における自然の恩恵を可能な限り住宅内に取り入れることです。また、その土地に特有の自然の脅威から家族や財産を守る囲いとしての住宅を考えることです。ここで大切なことは、自然の恩恵と脅威に対するバランスのとれた住宅の計画が不可欠な条件だということです。
 しかしながら、一般化されている現代の住宅は住む人の思いを無視し、ハウスメーカーの指向が優先されています。リスク負担を避けるために、ただ自然の脅威だけに配慮し、自然の恩恵を取り入れる対策が軽視されています。とくに問題となるのは、自然の恩恵を拒絶して人工的に空気調整をする「省エネルギー」をうたった住宅が推奨されていることです。私は理解に苦しまざるを得ません。不自然な住宅環境で健全な家庭の存続が可能か否かを冷静に判断すべきだと思います。

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コロナの影響を受けず きれいな空気を生む住まいづくり③


土地の環境に適応させぬ住宅は本物ではない

あらゆる生物が環境に支配されています。環境に適応できない生物の存在は許されません。しかし、生物は懸命に生活環境をつくり、またその環境の影響を受けながら生存を続けています。とくに、人間は住宅という生活環境をつくることのできる唯一のすぐれた動物です。そのために地球上のいたるところで生存ができ、結局は地球を制覇できたのです。
 住宅は、その土地の自然環境(気候風土、地域性、立地条件)に適応させたものでなければなりません。そうでなければ健全な家庭生活ができないのです。規格化された建物は住む土地に適応させることはできません。かつて伝統的な木造住宅は地場産業として、その地域の気候風土を熟知した人の生活体験による知恵を駆使して計画されたものです。そして地元の大工、工務店が建物を請負うのが基本でありました。

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